司法書士試験対策・憲法21条その2
1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
4 報道の自由
「報道の自由」とは、事実を知らせる自由をいいます。報道の自由は、①国民の知る権利に重要な意義を持つ、②報道のために報道内容の編集に報道機関の意見が表明される点から言っても、21条1項によって保障されると解するのに異論はありません。
☆司法書士試験対策 判例
米原子力空母寄港に反対の学生と機動隊の衝突事件の現場撮影TVフィルムの提出が裁判所により命ぜられた。これが放送会社の報道の自由を侵害するとして争われた事件。
「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものである。したがって、思想の表明の自由とならんで、事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあることはいうまでもない」
(博多駅TVフィルム提出事件・ 最S44.11.26)。
5 取材の自由
「取材の自由」とは、報道すべき生の事実に接し、これを獲得する自由をいいます。取材の自由も報道の自由の一環として21条によって保障されます(学説)。取材は報道の自由にとって不可欠な前提であり、国民の知る権利を充足するためには、取材活動の自由が確保されなければならないからです。
しかし判例は取材の自由については21条で保障されるとは言わないで「憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値する」というに止まります。
☆司法書士試験対策 判例(上記の博多駅TVフィルム提出事件)
「報道機関の報道が正しい内容をもつためには、報道の自由とともに、報道のための取材の自由も、憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値するものといわなければならない」。
(博多駅TVフィルム提出事件・ 最S44.11.26)。
☆司法書士試験対策 判例
アメリカ人弁護士レペタ氏が裁判傍聴の際にメモを採ることの許可を求めたが認められなかった。そこでメモを採ることは知る権利を行使することで21条で保障されているとして争った事件。
「傍聴人が法廷においてメモを取ることは、その見聞する裁判を認識、記憶するためになされるものである限り、尊重に値し、故なく妨げられてはならない」
「メモを取る行為が・・・公正かつ円滑な訴訟の運営を妨げる場合には、それが制限又は禁止されるべきことは当然である。」
「しかしながら・・・傍聴人のメモを取る行為が公正かつ円滑な訴訟の運営を妨げるに至ることは通常はあり得ないのであって、これを傍聴人の自由に委せるべきであり、それが憲法21条1項の規定の精神に合致するものということができる」
(法廷メモ採取(レペタ)事件 ―― 最H元.3.8)。
6 取材源の秘匿
「取材源の秘匿権」とは、取材源の開示を強要されない権利をいいます。将来の取材を困難にするような国家からの要求を報道機関が拒めるかがここでの問題です。
これも21条によって保障されているとする学説が有力です。取材源の秘匿の保障があって今後の取材ができ、それによって国民の知る権利も充足されるからです。しかし、判例はこれを否定します。
☆司法書士試験対策 判例
新聞紙上に公務員が守秘義務に違反して秘密を漏らしたと推測できる記事が掲載された。検察官が記者の出廷と証言を求めたが拒否されたので、記者が証言拒絶罪(刑訴161条)で起訴された事件。
「一般国民の証言義務は国民の重大な義務である点に鑑み、証言拒絶権を認められる場合は極めて例外に属するのであり、また制限的である」
憲法21条は「一般人に対し平等に表現の自由を保障したものであって、新聞記者に特種の保障を与えたものではない。」
「取材源について、公の福祉のため最も重大な司法権の公正な発動につき必要欠くべからざる証言の義務をも犠牲にして、証言拒絶の権利までも保障したもの・・・ではない」
(石井記者事件・最S27.8.6)。