司法書士試験対策・憲法21条その5

司法書士試験・行政書士試験対策・憲法条文●

1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

司法書士試験・行政書士試験対策・憲法解説●

11 集会の自由
集会の自由とは、多数人が共同の目的をもって一定の場所に集まる一時的な集合体をいいます。表現の自由の一形態として21条によって保障されています。

この集会の自由は、多数人が集合する場所を前提とする表現活動で、行動を伴うこともあり、他者の人権と衝突する可能性があるため制約は免れません。

☆司法書士試験対策 判例

関西空港建設反対派が市民会館の使用許可を求めたところ、条例で定める不許可事由である「公の秩序をみだすおそれがある場合」に該当するとして不許可とされた事件。

「利用を拒否し得るのは、利用の希望が競合する場合のほかは、施設をその集会のために利用させることによって他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られる」

「集会の開催が必要かつ合理的な範囲で制限を受けることがあるといわなければならない。」

「制限が必要かつ合理的なものとして肯認されるかどうかは、基本的には、基本的人権としての集会の自由の重要性と、当該集会が開かれることによって侵害されることのある他の基本的人権の内容や侵害の発生の危険性の程度等を較量して決せられるべきものである」

「その危険性の程度としては・・・単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要である」
(泉佐野市民会館事件・最H7.3.7)。

12 集団行進の自由
集団行進も国民の意思表現の一つであるから、21条1項で保障されます(判例、通説)。ただ、①「動く集会」として集会の自由に含まれるのか、②「その他一切の表現の自由」に含まれるのかについては争われています。

集団行進は一定の行動を伴うものであるから、特に他の国民の人権との調整を必要とし、特別の規制に服します。現実には各地方公共団体によって制定される「公安条例」による事前規制の合憲性が争われます。なお集団行進の内容ではなく、表現の時・場所・方法に関する必要最少限度の規制は検閲にはあたりません。しかし、事前抑制禁止の原則により明確な要件の下においてのみ規制が許されます。

☆司法書士試験対策 判例

密造酒取り締りのトラブルによる警察署前での無許可集団行動(200~300人)が新潟県公安条例違反とされた事件

「単なる届出制を定めることは格別、そうでなく一般的な許可制を定めてこれを事前に抑制することは憲法の趣旨に反し許されない」

「特定の場所又は方法につき、合理的かつ明確な基準の下に、予じめ許可を受けしめ、又は、届出をなさしめてこのような場合にはこれを禁止することができる旨の規定を条例で設けても、これをもって直ちに憲法の保障する国民の自由を不当に制限するものと解することはできない。」

「公共の安全に対して明らかな差し迫った危険を及ぼすことが予見されるときは、これを許可せず又は禁止することができる旨の規定を設けることも、・・・直ちに憲法の保障する国民の自由を不当に制限することにはならない。」
(新潟県公安条例事件・最S29.11.24)。
⇒許可制には二つあり、一般的な許可制は許可の基準もあいまいで不当な抑制となる可能性があるから許されないが、合理的かつ明確な基準下での許可制なら合憲とします。届出制は単に届出さえすれば集団行進ができるので合憲としています。

☆司法書士試験対策 判例

東京都内で行われた学生運動でもが、東京都公安条例違反とされた事件。

「集団行動による思想等の表現は、・・・甚だしい場合には一瞬にして暴徒と化し、勢いの赴くところ実力によって法と秩序を蹂躙し、・・・警察力を以ってしても如何ともし得ないような事態に発展する危険性が存在すること、群集心理の法則と現実の経験に徴して明らかである。」

「本条例は規定の文面上では許可制を採用しているが、この許可制はその実質において届出制とことなるところがない。」から合憲である
(東京都公安条例事件・最S53.7.20)。

⇒「集団暴徒化論」により、規制の大幅な緩和を認めました。治安維持のために表現の自由の不当な制約を容認しているとの批判がある判例です。


4 結社の自由
「結社」とは、共通の目的をもった複数人の継続的な結合体をいいます。政党のような政治結社のほか、宗教、学問、芸術などを目的としたすべての結社を含みます。

結社の自由は① 団体を結成すること、しないこと。団体に加入すること、しないこと、団体に留まること、脱退することにつき公権力による干渉を受けないこと、② 団体の存続、活動につき公権力による干渉を受けないことを内容としています。

結社の自由も犯罪結社が許されないように限界があります。この点に関して破壊活動防止法が団体に対して解散の指定を行うことができるとしていることが結社の自由を害するのではないかが問題とされています。

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